校長ご挨拶
本校は小規模校であり、そのことによるデメリットもあるのですが、それ以上のメリットがあると、私は感じています。まず一つは、きめ細かく一人一人の児童生徒に指導できる点です。これはとても大きなメリットですが、そのほかにも上級生が下級生と活動する縦割り活動が日常的に行われていることがあります。縦割り活動をすることで、下の学年子どもたちは上の学年の子どもたちを目標とするため、実力以上の能力を発揮することが期待されます。 一方、上の学年の子どもたちは、年下にさまざまなことを教えることによって、思いやりの気持ちを育むことができます。 さらに、下の学年の子どもたちのお手本になることで、自分に自信を持つことができます。小学部1.2年生の教室に行くと、2年生が1年生に声をかけリードする様子が見られます。また中学部の子どもたちが、委員会活動で小学部の子どもたちの成長段階に応じて役割分担をする様子などが見られます。どの学年の子どもたちも自主的に生き生きと活動することができています。
学校教育目標は、「国際性の基礎を培い、創造性や豊かな人間性に富んだ、たくましい児童生徒を育成する」です。この学校教育目標は平成15年に設定され、本校の羅針盤のような存在です。おそらくこれからも目指す学校の姿として変わらないと考えています。
私は、グローバル人材の資質として、コミュニケーション力の向上がとても重要であると考えています。コミュニケーションは双方向のやり取りです。自分の考えをはっきり述べることはもちろんですが、それ以上に相手の話をよく聞いて、相手の考えや気持ちを理解しようとすることが重要であると考えています。授業はもちろんですが、教育活動のすべての場面において、人の話をしっかり聞くことを大切にしています。
また、本校では登下校の事情もあり、日本の文部科学省の設定された標準の授業時間数を大幅に超えて授業を行っています。因みに年間で小1では200時間、日数に換算すると1年生は5時間授業ですので約40日分になります。小2では140時間、小3では75時間、小4~中3までは35時間多く行っています。さらに小学部については、日本では45分授業のところを50分で行っており、課外の時間とも合わせるとこの分だけでも各学年で年間約180時間、日数にすると6時間授業換算で約30日分多く授業を行っていることになります。この大幅にプラスされた時間を活用し、手厚く学習指導を行うことはもちろん、本校では、英会話の時間やスペインの文化や生活を学ぶスペイン語活動の時間、そして宿泊体験、現地校交流会などの体験活動、またこの地ならではの魅力ある講師の方を迎えてのキャリア講話などを行っています。
これからも、社会をたくましく生き抜き、将来、スペインを始め世界の国々の懸け橋となれるようなグローバル人材を育成することを目指し、教職員が一丸となって教育活動に取り組んでいく所存です。本校教育活動に対し、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。